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銀の経年変化

紀元前3000年頃には人類の生活に登場し、古代エジプトにおいては宝飾品も存在している程、馴染みの深い金属として知られている銀。

銀は、化学変化を起こしやすく、毒を盛られた際にも銀の変化により異変を察知できるという理由で主に食器に用いられ、また一方で「身を守り幸せをもたらす」と古くから世界各地で魔除け、お守りとして使用されてきました。色調の美しさや加工のしやすさも手伝って今ではアクセサリーとして身に着けられています。

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既述の通り銀は化学変化を起こしやすく、徐々に黒っぽく変色していきます。これを「錆び」と勘違いされる方もいらっしゃいますが、本来銀は水や空気に対して安定した素材で、余程の高温に加熱をしない限り錆びてしまうことはありません。

この化学変化は酸化ではなく「硫化」もしくは「塩化」によるもので、硫化(写真左)は、二酸化硫黄や硫化水素と銀が反応し皮膜を形成したものです。その皮膜の厚さによって、薄いときは黄色、厚くなるにつれ茶褐色から黒色になります。硫化銀はシルバークリーナーで元通りの輝きを取り戻すことができます。

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塩化(写真右)は、塩素と反応し表面に塩化銀皮膜を作り茶色から黒に変色することを言います。塩化銀皮膜は安定した硬い物質なのでシルバークリーナーでは取り除くことができません。研磨により皮膜を除去します。

この変化、忌み嫌うのではなくデザインとして楽しんでみるのはいかがでしょうか? お気に入りのアクセサリーを身につけ続けることで生まれる味わい。小さな傷が入り、少しずつ硫化していくことで着け始めとは違った表情を見せてくれます。これは銀ならではの最大の魅力です。

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その形状ですら、暮らしを共にすることでもつ人それぞれの表情に変化する銀細工。きらびやかな装飾品で身を飾ることとは対照的に、その人のこれまでの歩みを写し取った様な素材のもつ深い味わいを、銀の経年変化の醍醐味として是非お愉しみください。

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