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梁 ‐はり-

「琴線に触れる一瞬」は、場所やその時どきに、常にかたちを変えて表れます。高揚感や懐かしさ…それぞれ感じ方は異なりますが、気が付かなければ直ぐに途切れてしまう目には見えないものであり、誰もが「何度でも味わいたい」と、無意識のうちに考えているものです。

ichiでは、ひときわ存在感のある梁が目を惹きます。民家の一部として使われていた木材は、静穏さの中に力強さを感じさせ、そのたたずまいにしばし魅入られてしまうお客様の姿も。

弥生時代の高床式住居からその姿を変えずにいる梁は、日本の風土文化と非常に密接に関わってきました。

使われている木材に目を向けてみると、切らずに残されている「木組み」の継ぎ手跡があります。

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家の骨組み作りにおいて釘や金物を用いず、接合部分に手刻みで凹凸を施し組み合わせる技術で、要所に「遊び」が設けられることで、建物が変形や衝撃に耐え倒壊しにくくなり、修繕の際にはひとつひとつ解かれ、再び組み直すことができる工夫が施されています。

その機能面だけでなく、梁は屋根からの荷重を水平方向に均等に分散させるため長い木材を最大限に活かして使われるため、見た目の美しさをも保っています。

木をむやみに切断せず、木が持つ本来の強さと美しさを生かすことができる木組み。木組みの仕事は、大工の木の性質を見極める目と技術が凝縮された知恵の結晶であり、職人から職人へと受け継がれてきた、伝統技法なのです。

ichiの店内で再び命を吹き込まれた梁は、時代を超えて人の目を楽しませ、安心感を与えてくれ、そして思わず手で触りたくなる様な好奇心を掻き立ててくれます。

先達に敬意を表し、「その一瞬」を忘れずにいさせてくれる梁をこれからもずっと愛でていきたいと思います。

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