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身近にあるのに実は詳しい事をよく知らない「帆布」。読み方は「はんぷ」です。英語だとCanvas(キャンバス)です。今回は帆布のお話を。
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その発祥は古代エジプトまで遡ります。エジプトといえばミイラ。そうです。帆布は耐久性に優れた布として、ミイラの巻き布に使われていました。

日本では明治以降、その丈夫さを活かし貨物列車の幌、お酒・醤油作りの濾し布、職人の道具袋、新聞配達鞄などに使われてきました。身近な所では体育マットも帆布製。実は跳び箱や学生鞄などにも使われ、レザーなどの高級品に比べ「軽い、安い、丈夫」と三拍子揃った庶民の布として非常に身近な素材でした。

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貨物列車やトラックの幌などにも使われていた防水加工を施された帆布は、日本の高度成長の一躍を担ってきたとも言われ、それが帆布なのです。

一般的に綿帆布とは、経(たて)糸、緯(よこ)糸とも10番手以上を使用したもので、経糸に撚り糸を用いて純粋に平織りした1平方メートルあたり8オンス(約227g)以上の平織りの地厚い織物を帆布と呼びます。

そしてichiが注目するのはシャトル織機。現代はスピード重視の高速織機が主流となりその存在は希少性を増すばかりですが、その当時は産業革命の先駆けとなった画期的なアイテムでした。

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シャトル織機は緯糸を行ったり来たりさせて織る昔ながらの織り機。空気で糸をとばす高速織機にはない独特の風合いがあり、緯糸が行き来する時の微妙なテンションのゆるみが、適度な糸のふくらみとなり、しなやかでありながら強く、表情の豊かな布を生み出すといわれています

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ガチャンガチャンというレトロな響き。織機の一台一台には癖があり、その癖に合わせて織り手があうんの呼吸を持って操るその様は、まるで人とつき合う感覚のようだと言われています。熟練の職人達にのみ許される織機との会話。この技術は細いながらも脈々と伝承され今に至ります。

時代を織り続けて来た帆布。古くさいながらもひとつひとつの工程を大切に終止手作業で仕上げていくという姿勢。飾り気の無い素朴な帆布の表情の中に骨太なストイックさを感じるのは、職人の真摯な姿勢と手で織りなす物造りのかたちが愚直に守られているからなのかもしれません。

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