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仕立てよう、
自分だけの革財布

「毎日持ち歩くお財布なのに、しっくりくるものが、なかなかなくて」というスタイリストの田中美智子さん。革小物をオーダーできる『ichi』で理想の形を探してみました。

東京・代々木公園のほど近くにある『ichi』のショップ。ビルの2階にある扉を開けると、とんとんとハンマーをたたく音や、シュッシュッと糸を通す音が耳元に届く。店は革小物の工房を兼ねていて、商品を作る職人たちが、応対もしてくれる。
田中美智子さんが求めるのは、機能的で小振りな財布。入れたいのはお金と免許証、保険証、クレジットカードだけ。レシートは毎日取り出せば良いのだし、ポイントカードも持たないから収納はさほどいらない。希望はそれだけなのに気に入るものがなかなか見つからないのだという。
棚に並ぶ見本の中から四角いシルエットの折り財布を手に取った。本体に差し込まれたかぶせをはずすと、三つ折りになっていて、右側は3枚分のカード入れ。中央に小銭入れのポケットがあり、背面にはお札が入る。素材はヌメ革だけ。シンプルこの上ない構造でファスナーもスナップも使っていないのに、スリットにフタをさしこむだけで、小銭がこぼれない。「これで大丈夫なんだ、ってはっとさせられますね」。
じつはこれ、18年前に創業者の小池一央さんが考案した、ブランドの出発点とも言える財布だ。手本に下のは、着物、祝儀袋、風呂敷といった和の文化。ひっかける、さしこむ、結う。そんな日本に伝わる留め方を活かせないか。。そこからスタートしたのだという。小池さん曰く「常に整理しないと、財布が許してくれない」ほどのコンパクトさ。そこには使う人自身の美意識を刺激したい、という想いも込められている。
小池さんは『ichi』を始めたときから好みの素材で仕立てるオーダーメイドのスタイルを取っている。丹念に手作業で縫製し、利き手や使い方に合わせ、向きや配置を変えるといった細かな願いにも応じてきた。今回、田中さんはセミオーダーで自分だけの財布を作ることにした。デザインを選び、素材や色を決めていく。こちらで扱う牛革は6種類、20色。手縫い糸は8色から選べる。革は全て植物性タンニンでなめしてある。中でもヌメ革は、使ううちに手の皮脂がなじみ、また、鞄やポケットに当たることで、革がこなれ、色に深みが増してくる。使い込んで、育てる楽しみも続くのだ。サンプルを眺め、素肌のようなキナリの牛ヌメ革とベージュの麻糸を選んだ。
仕立て上がった財布を早速使ってみる。かぶせを滑らせるようにはずして広げると、すっと流れるようにお金が取り出せる。ミニマムな形は、使う人の所作も無駄なく美しく見せてくれる。「柔らかくなるほどに、使いやすくなりそうですね」。
自分だけの一点は、より愛おしく、大切にしたくなる。そんな喜びをぜひ、味わってほしい。

革の工房を兼ねた渋谷店。ほか銀座、大阪、名古屋にも店があり、アクセサリーやかばん、ブライダルリングのオーダーも受けている。

スタッフが2年半使った同型の財布。同じヌメ革が飴色に変化し、周囲から「いいね」と声をかけられることが増えたそう。億には18年ものの小池さんの財布が。

https://www.ichi.gr.jp/fs/ichi/leather/L010306

問い合わせ/ichi渋谷店☎03-3770-0789 https://www.ichi.gr.jp